「マーケティング」って何? よくある質問である。
ものの辞書によれば、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするための概念」ということである。
なるほど。わかったようで……。
一言でいいがたい「マーケティング」だが。
神田昌典さんによれば、「営業マンの前にお客さんを連れて来ること」。
ドラッカーは、「商品がひとりでに売れるようにすること」と言っている。
つまり、「販売する前に行う行動」であるようだ。
どうやら、見込み客づくりのプロセスのことであるようだ。
いきなり目の前に見込み客が現れるなんてことは、あり得ない時代である。
苦労しないでも売れた時代は、もう来ない。
いずれにせよ、トップセールスの「暗黙知」を、一刻も早く「形式知」に置き換え、実践せねばならぬ。「企てて売る」道なのである。
マーケティングはこの三つの視点・要素で考える。
かつて印刷業界は「誰に」なんて考えもしなかった。
お客は自然と目の前に現れ、受注となるとその商品は、顧客コードと受注コードが振られる。
買ってくださった方が誰かも、売った商品の価値が何かも、自覚のないまま「番号」として扱われる。
これでは、「顧客の創造」も程遠いし、「お客さんを目の前に連れてくる」こともできない。
「誰に」売れた。「何が」売れた。「どのチャンネルで」売れたかに学び、「誰に」売りたい。「何が」売りたい。「どのチャンネルで」売りたいかを企てる。
それがマーケティングの力。